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VDIかBMTか?CNC旋盤の回転工具ホルダー選定ガイド

  • 2 時間前
  • 読了時間: 4分

結論から先に:工具交換の速さと、複数の機械で同じホルダーを使い回せることを重視するならVDI。剛性と重切削時の安定性を重視するならBMTです。

ただしこれは第一段階にすぎません。現場でより多いのは「仕様書にはBMT65と書いてあるのに、届いたホルダーが付かない」という状況です。原因はVDIかBMTかではなく、カップリング(駆動連結部)にあります。カップリングを決めているのはタレットメーカーであって、機械のブランドではありません。この記事では両方の階層を整理します。

VDIとBMTは何が違うのか?

VDIは円筒シャンク方式のインターフェースです。ホルダーのシャンクは歯の付いた円筒で、タレットの穴に差し込み、側面からくさび状のクランプ要素で締め付けます。通常はねじ1本の操作で済みます。VDIの後ろの数字はシャンク径(mm)で、VDI30なら30 mm、VDI40なら40 mm。一般的にはVDI16からVDI60まであります。

このインターフェースはドイツ規格のDIN 69880に由来します。業界であまり更新されていない点をひとつ挙げると、DIN 69880はすでに廃止されており、DIN ISO 10889シリーズ(円筒シャンク工具ホルダー)に置き換えられています。市場では今も「DIN 69880」という呼び方が使われていますが、両者は同じインターフェースを指しています。

BMTはフランジ面方式です。ホルダーをタレットの平面に直接ボルト止めし、キーとキー溝で位置決めします。通常はねじ4本。名称はMori Seiki(現DMG MORI)の登録商標「Built-in Motor Turret」に由来し、業界ではBase Mount Turretとも読まれています。

実務上の違い:

  • 交換時間——VDIはねじ1本を緩めるだけ、BMTは4本外す必要があります。

  • 振れ精度——VDIは取り付け時の芯出しの丁寧さに左右されます。BMTはタレットのキー溝で位置が決まるため、取り付けた時点でタレットの精度がそのまま出ます。

  • 剛性——BMTは平面接触+多点締結なので、重切削ではVDIの一点クランプより一般に有利です。

  • 互換性——VDIは公開規格なので、同サイズならメーカーをまたいでもある程度互換します。BMTはDIN/ISOの公開規格ではありません。これがメーカー違いのBMTホルダーが互換しない根本的な理由です。

同じBMT65なのに別の機械に付かないのはなぜ?

カップリングが違うからです。

フランジ寸法が同じでも、タレットから工具へ動力を伝える駆動連結部が違うことがあります。よくあるカップリング規格:

  • DIN 5480(インボリュートスプライン)

  • DIN 1809(駆動タング/ドライブテノン)

  • DIN 5482

  • TOEM(Baruffaldi方式)

  • HAAS SPUR

  • MORI SEIKI 独自規格

重要な考え方は:カップリングはタレットメーカーに従うのであって、機械のブランドに従うのではないということです。同じ機械メーカーでも機種によって異なるタレットメーカーを採用していることがあり、逆に別々の機械メーカーが同じタレットを使っていることもあります。つまり「うちの機械は◯◯製です」という情報だけでは、ホルダーの型番は決まりません。

特にDIN 5480とDIN 1809は混同されがちです。前者はスプライン、後者はタングで、機械的にまったく別の構造です。詳しくはDIN 5480とDIN 1809の違いで解説しています。

ラジアル(90度)とアキシャル(0度)の使い分け

  • アキシャル(0度)——工具軸が主軸と平行。端面方向へ送ります。端面の穴あけ、タッピング、正面フライス加工。

  • ラジアル(90度)——工具軸が主軸と直交。側面から切り込みます。外径の横穴あけ、溝入れ、側面フライス加工。

どちらにも当てはまらない加工向けに、角度可変型や複数出力型もあります。

自分の機械に合うホルダーをどう探すか

機械のブランドから推測しないでください。次の5点をお送りいただければ照合できます。

  • タレット形式とサイズ——VDI(サイズ)かBMT(サイズ)か

  • タレットメーカーと型式——カップリングを決めるのはここです

  • カップリング(すでに分かっていれば:DIN 5480/DIN 1809/DIN 5482/TOEM/HAAS SPUR/独自規格)

  • 向き——アキシャル、ラジアル、角度可変

  • 工具側の仕様と加工条件——ERコレットサイズ、シャンク径、センタースルークーラントの要否、想定回転数とトルク

タレット面と現状のホルダーの写真があれば、図面よりも早く判断がつくことが多いです。

Mongtecの守備範囲

Mongtecは回転工具ホルダーを機械メーカー別・タレット形式別に取り揃えており、VDIとBMTの各サイズに対応しています。ほかに静止工具ホルダーアングルヘッド精密コレットも供給しています。お手持ちのホルダーが摩耗しているだけなら、修理サービスはメーカーを問わず対応可能です。買い替えが唯一の答えとは限りません。

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