DIN 5480とDIN 1809は何が違うのか?回転工具ホルダーのカップリング規格
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結論:DIN 5480はインボリュートスプライン、DIN 1809は駆動タング(ドライブテノン)です。同じ規格のサイズ違いではなく、機械的にまったく別の構造です。この2つを取り違えることが、回転工具ホルダーが「届いたのに付かない」もっとも多い原因のひとつです。
DIN 5480とは
DIN 5480はインボリュートスプラインを規定しています。インボリュート歯形の軸が、対応する内歯スプラインとかみ合う構造です。トルクは歯面全体で、円周方向に分散して伝達されます。
利点は、径に対するトルク容量が大きいこと、かみ合いが自動調心的であること、荷重が均等に分散することです。ヨーロッパ製タレットの多くで採用されています。
DIN 5480の呼び方には基準径・モジュール・歯数が含まれます。つまり「DIN 5480のホルダー」というだけでは仕様として不完全で、スプラインデータまで一致している必要があります。
DIN 1809とは
DIN 1809は駆動タング(Mitnehmerlappen)を規定しています。平たい駆動片が対応する溝にかみ合う構造で、トルクはタングの面で受けます。歯のリングではありません。
より単純で、許容差に寛容な連結です。かみ合わせが速く、わずかな芯ずれに強く、メンテナンスも容易です。その代わりトルクは、円周に分散されるのではなく、少数の大きな接触面で受けることになります。
見分け方
ホルダーの駆動端、またはタレット側の駆動穴を見てください。
軸のまわりに小さなインボリュート歯が並んでいる → DIN 5480
平たいブレード状のタングと溝がある → DIN 1809
両方を一度見れば取り違えようがありません。問題は、カタログにフランジサイズ(BMT65、VDI40など)しか書かれておらず、カップリングが省略されていることが多い点です。そのため買う側が「フランジサイズ=仕様のすべて」と思い込んでしまいます。
DIN 5482、TOEM、HAAS SPURは?
同じ棚に並ぶ、ほかのカップリング方式です。
DIN 5482——別のスプライン規格。歯形がDIN 5480と異なり、互換性はありません。
TOEM——Baruffaldi方式。同社製タレットで使われます。
HAAS SPUR——Haasのタレットで使われるスパー駆動方式。
メーカー独自のカップリング——独自方式を採用しているタレットメーカーが複数あります。
自分の機械はどのカップリングか
これが実務上いちばん重要な質問で、正直な答えは「タレット次第であって、機械のブランドでは決まらない」です。同じ機械メーカーでも機種によって異なるタレットメーカーを使っていることがあり、別の機械メーカー同士が同じタレットを載せていることもあります。
ですから機械の銘板から推測するのではなく、タレットを特定してください。タレットメーカーと型式は通常タレットハウジングの銘板に記載されており、既存ホルダーにはカップリングが刻印されているか、付属書類に記載されていることが多いです。
問い合わせ時に必要な情報
タレットメーカーと型式
タレット形式とサイズ(VDI xx/BMT xx)
カップリング(分かれば)
タレットの駆動穴と、既存ホルダーの駆動端の写真
必要な工具側仕様(ERサイズ、シャンク径、センタースルークーラントの要否)
写真だけでも、スプラインかタングかはほぼ即座に判別できます。

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